I氏よりのメッセージ
―白隠・東嶺・慈雲・良寛…現代書への道―展覧会開催にあたって
我が師、森田子龍は言う、「書の美しさは筆・墨・紙で書かれた文字における境涯の美しさである」と。その師をして白隠芸術と言わしめる白隠の境涯にふれるには、「白隠の書」を直にわが手元におきたいと思ったのが蒐集のきっかけです。森田子龍編集の『墨美』には今なお多くの示唆を受けています。
『墨美』の題目を見れば、特に白隠・慈雲・良寛の特集に力が注がれています。
白隠の“自在”、東嶺の“諧謔”、慈雲の“ほぐれ”、そして良寛の“天衣無縫”な魅力。
コレクションといえば細川護立氏の[永青文庫]収蔵品の充実、山本發次郎氏の[山発コレクション]は特筆すべき一大事でした。単なる骨董品としての蒐集ではなく、その「書」にその「生き方」を睨んでいます。
本コレクション展の副題に「現代書への道」とあります。先人の書に何を学ぶか。
現代書のあるべき姿を作品、書論を通して一時代を画した墨人会創立会員の森田子龍、井上有一。私の手元にあった子龍 臨「良寛」、有一 臨「白隠」の臨書を見ていただければと思います。
永井画廊・永井龍之介さんの企画・現代書顕彰シリーズの一環として、私にとっては2023年は「森田子龍・稻田宗哉子弟展」、2024年は「奎星会・墨人会合同展」と企画実現。
本年は私が折にふれて集めてきたささやかなコレクションを展覧できる機会を与えていただき感謝です。
一つの展示空間に「先人の書」がどのように響きあうのか楽しみです。一点一点の「書」と向き合っていただければ幸いです。