Exhibition

展示会

現代書顕彰シリーズ第4弾
“日本前衛書作家協会(1957-59)に注目”展

会期

■2024年1月4日(木)ー20日(土)
10:00 -18:00 ※1月14日(日)のみ休廊

開催イベント

開催を記念して、シンポジウム『現代書を語る』を開催します。
日時:2024年1月4日(木)19:00~21:00[開場18:30]
会場:千代田区立日比谷図書文化館 B1コンベンションホール(大ホール)  千代田区立日比谷図書文化館 ホームページ
パネリスト:松岡正剛 秋元雄史 尾﨑信一郎 比田井和子

司会:永井龍之介
※事前申込みが必要です。
ご希望の方は永井画廊まで下記電話またはメールでお申込みください。
《定員200名/参加費無料》 定員になり次第、締め切らせて頂きます。
[電話]03-5545-5160
[メール]info@nagai-garou.com
案内PDFはこちらから

主旨

 2023年からスタートした“現代書顕彰シリーズ”第4弾。
戦後、現代書と抽象絵画が深く交流するなか、前衛書とは何か、様々な意見の違いを乗り越え、前衛書の発展とともに新たな美の創造を目指し、「奎星会」、「書道芸術院」、「墨人会」、「草人社」などの会派を超え結集した精鋭メンバーによる「日本前衛書作家協会(1957-59)」に注目しています。
 会の活動はわずか2年で終了しましたが、メンバーの思いやその後海外展での展開で、南谷、子龍、有一ら海外での評価が高まっていったことを顧みた時、いま現代書再評価の気運のなか、改めて当時の熱気を顕彰することは意義があります。
 今回当時のメンバーによる協会展への出品作品あるいは同時代の作品を展覧します。
画廊スペースでの展示ですので、各作家1~2点ずつですが、将来美術館での展覧会まで展望できればと思います。 本企画を通して、現代書シリーズの意義をより深く認識して頂く機会になれば幸いです。

永井龍之介

作家プロフィール

井上有一

( 1916-1985 )

1916
東京下谷生まれ
1935
青山師範を経て東京市本所区横川尋常小学校訓導勤務
(41年5ヶ月間、定年に至るまで小・中学校教員として過ごす)
1941-51
上田桑鳩に師事
1952
墨人会結成参加
1957
サンパウロ・ビエンナーレ日本代表
1959
ドクメンタ(カッセル)出品以後1965年まで各国国際美術展に出品
1967-74
「日本現代書展」リーダー
1971
海上雅臣と出会い最初の作品集「花の書帖」(海上雅臣編、求龍堂)を刊行
初の個展開催(銀座/壱番館画廊)
1985
肝不全で没69歳
1986
京都国立近代美術館に代表作62点を収蔵
日本、ドイツ、中国、フランス等で展覧会多数開催

上田桑鳩

( 1899-1968 )

1899
兵庫県吉川町(現三木市)生まれ
1929
比田井天来の門下となる
二松学舎専門学校卒業
1933
金子鴎亭らとともに書道藝術社設立
1937
大日本書道院
1940
奎星会(けいせいかい)設立
1951
日展に出品した「愛」をめぐって議論
1955
日展脱退
1968
逝去(享年70)
前衛書の先駆者
近年再評価される森田子龍、井上有一らの師

宇野雪村

( 1912-1995 )

1912
兵庫県大庭村(現新温泉町)生まれ
1932
御影師範学校卒業
上田桑鳩に師事
1940
桑鳩らと奎星会設立に参加
1949
日展入選
1954日展審査員
1956日展脱退
1969
奎星会代表
1982
大東文化大学名誉教授
1984
毎日芸術賞
1995
逝去(享年83)
師桑鳩を創始とする前衛書の理論的完成者

岡部蒼風

( 1910-2001 )

1910
群馬県邑楽群生まれ
1933
群馬県師範学校専攻科卒
1934
比田井天来に師事
1936
書道芸術社同人
1940-52
書道芸術院
1952-61
「草人社」結成
1961
「グループ蒼狼」設立
1966-91
「蒼狼社」
1967-74
日本現代書展(蒼狼社、墨人会、草人会、合同展)
2001
逝去(享年90)
日本、アメリカ、ドイツ等展覧会多数

小川瓦木

( 1911-2000 )

1911
千葉県(現白井市)に生まれる
本名栄次郎
1935
上田桑鳩に師事
1939
大日本書道院展推薦金賞、奎星会創立に参画
1954
毎日書道展審査員
1969
木華会(現一煌会)創立
1977
毎日書道展、恵生会を経て東洋書芸院創立
1981
読売書法展審査員
1982
東洋書人連合設立
1984
産経国際書会設立にあたり発起人として参画
1987
蘭亭にて日中代表書家による「曲水の宴」招待参加
1994
白井市郷土資料館に作品180点寄贈
紺綬褒章
2000
産経国際書会第一回内閣総理大臣賞受賞
9月12日永眠(享年88)
国内外での個展12、海外展出品50余、函南長光寺昭和書碑林に「茜雲」碑建立、上田桑鳩顕彰碑、碑文揮毫

香川春蘭

( 1896-1985 )

1896
甲府市生まれ
東京女子高等師範学校卒
1906
小野鵞堂に師事
鵞堂没後、中村春堂に学ぶ
戦後、比田井天来の自由な書に共鳴し“新しい書”に挑戦
1947
書道芸術院創立に参加
1952
書道芸術院による日本書道初めての海外展(ニューヨーク)
1974
書道芸術院副会長
1977
書道芸術院会長
1982
馨香会設立
1985
逝去(享年88)

中島邑水

( 1907-1986 )

1907
埼玉県大里郡生まれ
1935
大澤雅休に師事
比田井天来の益を受ける
1940
大日本書道展特別会員
1948
書道芸術院審査員
1952
毎日書道展審査員
1957
第1回平原社前衛書展に出品
1969
「生成社」結成
1974
書道芸術院副会長
1986
書道芸術院会長
1月逝去(享年79)

比田井南谷

( 1912-1999 )

1912
神奈川県鎌倉市生まれ
1924
音楽に傾倒
父・天来について書法を学ぶ
1934
東京高等工芸学校印刷工芸科卒業
1939
1月4日天来死去
その創設になる「書学院」を継承
1945
史上初の前衛書「電のヴァリエーション」を制作
1959-61
第一回渡米。サンフランシスコやニューヨークで個展・拓本展

1964-65
第三回渡米。アメリカおよび欧州の大学等で講演
1969
「書学院」の出版事業を再開
1988
第一回毎日書道顕彰(書道芸術)を受ける
1999
10月15日永眠、享年87

森田子龍

( 1912-1998 )

1912
兵庫県豊岡生まれ
上田桑鳩に師事
戦前の書芸術運動の中核である「書道藝術」誌編集に携わる
1952
「墨人会」創立メンバー
「墨美」主宰
1955
ヨーロッパ巡回
「現代日本の書・墨の芸術」展企画
1959~
サンパウロ・ビエンナーレ出品など国際展に度々出展
1980
京都市文化功労者
1991
兵庫県文化賞
1998
86歳で逝去

井上有一 「象」
1958年 90×121.5㎝

上田桑鳩 「無題」
1957-58年 59×76㎝

宇野雪村 「叫」
1958年 95×67㎝

岡部蒼風 「翔る」
1958年 69×48㎝ 群馬県邑楽町所蔵

小川瓦木 「萬のポーズ」
1957年 68×56㎝ 千葉県白井町所蔵

香川春蘭 「無題」
制作年不詳 37×30㎝

中島邑水 「無題」
制作年不詳 68×92㎝

比田井南谷「作品59-ext.12」
1959年 22×17㎝

森田子龍 「極」
1963年 92.4×69.1㎝

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