会期
■2020年11月20日(金)-12月5日(土)
10:00~18:00 日曜・祝日休廊
主旨
ルネサンス以来名画普及の一翼を担う版画技法がより進化し、近年超高精細画像による
デジタル版画の需要が高まっています。
このたび亜熱帯の自然、風土を斬新な構図、鮮やかな色彩で描き、没後人気が高まる田中
一村の代表作3点が、奄美移住60周年を記念して版画化されました。
原画の味わいをそ
のままに一村芸術の魅力を身近に感じて頂く貴重な機会です。
細密描写で注目される篠田教夫、高木公史の各版画と合わせて展覧します。
ご高覧を賜りますようご案内申し上げます。
永井龍之介
アーカイバル(複製画)について
画家によって描かれたオリジナル作品は基本的には1点しかありません。しかし印刷技法を用いれば同じ絵を複数制作することができます。
19世紀にヨーロッパで開発されたリトグラフ(石版画)、次いで木枠に張った布を版として用いるシルクスクリーン(セリグラフ)と発展しますが、いずれも版を用いて刷り上げる技法です。それに対し1991年にアメリカで、インクジェット出力をアート作品として試みる動きが始まります。従来の物理的な版という制約を取り払い、複製画制作に表現の幅を広げる意義がありました。
この技法によって製作された複製画は、「吹き付け」を意味するフランス語でジクレーと呼ばれます。アーカイバルはジクレーとジャンル的には同じですが、美術に特化した材料(用紙やインク等)を選定することで、湿気や退色に強い百年近い保存性を実現しました。
「不喰芋と蘇鐵」
〔アーカイバル(複製画)〕©2020 Hiroshi Niiyama
絵寸法:縦750×横402㎜/
額装寸法:縦958×横589㎜/
額装:木製、金泥塗装仕上げ
価格:300,000円(税別)
〔原画〕
絵寸法:縦1555×横832㎜/
製作年:昭和48年(1973)以前/
材質:絹本着色/額装/
所蔵:個人蔵/田中一村記念美術館寄託
「初夏の海に赤翡翠」
〔アーカイバル(複製画)〕©2020 Hiroshi Niiyama
絵寸法:縦750×横278㎜/
額装寸法:縦958×横466㎜/
額装:木製、金泥塗装仕上げ
価格:260,000円(税別)
〔原画〕
絵寸法:縦1522×横575㎜/
製作年:昭和37年(1962)頃/
材質:絹本墨画着色/額装/
所蔵:田中一村記念美術館蔵
「奄美の海に蘇鐵とアダン」
〔アーカイバル(複製画)〕©2020 Hiroshi Niiyama
絵寸法:縦269×横750㎜/
額装寸法:縦493×横958㎜/
額装:木製、メタリック塗装、一部金泥塗装仕上げ
価格:260,000円(税別)
〔原画〕
絵寸法:縦584×横1545㎜/
製作年:昭和36年(1961)1月/
材質:絹本墨画着色/額装/
所蔵:田中一村記念美術館蔵
ISSON TANAKA