デュビュッフェ(1901-1985)が1947年頃から提唱したアールブリュットという概念は、
正規の美術教育を受けていない障がい者などのアートと定義されることが多いですが、狭い考え方です。
デュビュッフェは、既存の価値観に囚われている現代人に、魂の純粋な発露こそアートの原点であるということをアールブリュットを通して伝えたかったのではないでしょうか。
カンディンスキー、ピカソなど美術史を一変させた作品は、何気ない発見から生み出されています。
作家自身無意識のうちにふと出来てしまった作品が不思議な面白さがあるということはよくあります。
何らかの障がいのある人たちは自然体で囚われのない作品を生み出しています。
いずれも作為を超えた作であり、ここにアートの真髄があるような気がします。
以前、ダウン症の人たちの展覧会を企画したことがあります。彼らの作品には独特の柔らかさ、温かさがあり、心が洗われます。
染色体が一本多いことが成せる業とも思いますが、作者の属性で作品を判断することは本来アートの在り方とはかけ離れています。
また正規の美術教育を受けた、あるいは障がいのない作家のなかにもアールブリュットと呼べる人は数多く存在しています。
作品を前に大事なことは、そこから私たちは何を見、感じ、得、学ぶことができるのかということです。
今回の作家たちの作品からは様々な形で触発されることが多いと思います。
このたび立川でご縁を頂き、多摩エリアからアートを発信する場をスタートします。
当ギャラリーが皆様にとって貴重な出会いや発見の場となることを念願して止みません。
永井龍之介
4月29日(土・祝) | 15:00~17:00 オープニングパーティー |
5月3日(水・祝) |
15:00~17:00 ・トーク 永井龍之介 ・対 談 松嵜ゆかり (アール・ブリュット立川実行委員会) × 永井龍之介 |
5月5日(金・祝) | 13:00~15:00 各出品作家によるパフォーマンス |