主旨
軽井沢千住博美術館ギャラリーでは2017年から毎夏 信州、軽井沢及び千住博さんゆかりの作家、作品展を企画しています。今回はそれらがいずれも揃った貴重な企画展です。
柳沢さんは佐久市生まれ、岩村田高校卒、東京藝大日本画稗田一穂研究室では千住さんの先輩にあたり、お互い画業を認め合っています。藝大卒業後、イタリア留学をきっかけとしてイタリアの歴史、文化、風土を実感するなか生まれた、悠久の時空を超えた壮大なスケールで展開するイタリア風景シリーズで人気を博しています。
2年前に本企画をご提案したところ「“浅間”は幼少期から身近な存在で特別な思い入れがある。是非取り組みたい。」ということで初めて連作に挑まれました。
50年の血肉となった画業で、ご自身の深層にある“浅間”への深い思いが結実した本シリーズは、日本近代絵画を代表する梅原龍三郎、小山敬三らの代表作「浅間」に続き日本風景画史にその名が刻まれることと思います。
本展は、藝大卒業後模索時代、イタリア時代を経て、至った柳沢芸術第三章の幕開けといえます。
軽井沢~東京銀座巡回を通して地元の皆様、絵画ファンをはじめ多くの皆様にご覧頂きたくご案内します。
永井龍之介