Nagai Art Gallery
Since 1971

サント=ヴィクトワール山 三十六景 vol.1

松井ユカ 展

Yuka Matsui

会期:2025年6月12日(木)-6月26日(木) 10:00-18:00(最終日16:00)

「障子円窓 12-04-25」
66.0×49.0㎝ 2025年 墨、和紙、障子枠

「障子横繁 市松 16-04-25」
28.0×57.0㎝ 2025年 顔料、和紙、障子枠

「障子吹寄 19-04-25」
28.0×49.0㎝ 2025年 墨、顔料、和紙、障子枠

展覧会へのメッセージ

タイトルから、セザンヌのプリズムを通した「サント=ヴィクトワール山」を、また北斎の「富嶽三十六景」を、多くの人は思い浮かべるだろう。私が心惹かれるのは、異なるものどうしが交差するところである。
 旅先や心の中の風景からインスピレーションを得て、異なる素材を使用し、具現化する。木と木が縦横に交わる障子の一つ一つと対話しながら、その垂直性と水平性、完全性と空虚性などが出会い、まだ見ぬものを形にしていく。これらの障子は、主に取り壊されようとしている古い家屋から集めたものである。
 「閉ざされたもの」の親密さと「開かれたもの」の一時性を垣間見る、静かな証人でもある。物語と素材が交差し、東洋と西洋の文化が融合する。私の作品を通して、皆さんそれぞれの出会い、 発見をして頂けたら嬉しいです。

松井ユカ

主旨

松井ユカさんは幼少期から書に親しみ、後年フランスでのパフォーマンス、展覧会で墨を基調とした作品が人気を博していましたが、アンフォルメルの巨匠スーラージュ(1919-2022)と出会い、墨と和紙が織り成す粋な日本美が一層洗練され、フランスのファンを魅了し続けています。
 弊廊ではアンフォルメル絵画に影響を与えてきた森田子龍ら現代書を顕彰する企画を展開していますが、2024年1月「“日本前衛書作家協会”に注目展」で松井さんにお会いし、“墨の魅力を伝える展覧会”を開催しましょうということでこの度の個展開催に至りました。
 2021年からのプロジェクト「モンサンクレール三十六景」が終了し、本展から「サント=ヴィクトワール山三十六景」第一章が始まります。セザンヌ、スーラージュら先達へのオマージュの思いも込めた作品展です。
 多くの皆さまにご覧頂きたくご案内します。

永井龍之介

出品作品

サント=ヴィクトワール山 三十六景Vol.1 約20点

松井ユカ / Yuka Matsui

ヴェルサイユ宮殿にて、即位の礼を祝し「令和」を揮毫
  ⓒ C.Fouin,chateau de Versailles,2019

略歴

6歳で書道に出会い、フランス留学を経て、自然、光、文学にインスピレーションを受け、墨と和紙を用いて、具象と抽象の間で揺れ動く作品を制作している。
近年の主要作品である障子シリーズでは、しなやかさとダイナミックさが、日本の伝統多岐な構造、直線性との間に対話を生んでいる。また、ヴェルサイユ宮殿、ギメ美術館、マティス美術館、スーラージュ美術館などの主要施設でアートパフォーマンスを行う。
近年の展示では2021年からのプロジェクト「モンサンクレール三十六景」が2025年に最終章を迎え、永井画廊で「サント=ヴィクトワール山 三十六景」の第一章が始まる。

Elle est une artiste inspirée par la nature, la lumière et la littérature. Novatrice dans les techniques et les supports, elle crée des oeuvres oscillant entre figuration et abstraction. Dans sa série Shôji, elle fait dialoguer la souplesse et la dynamique de ses traits d'encre avec la linéarité des structures glissantes des fenêtres traditionnelles japonaises. Yuka Matsui a également donné des performances exceptionnelles dans des institutions telles que le château de Versailles, le musée Guimet, le musée Matisse, le musée Soulages, les fondations Maeght à St Paul-de-Vence ou Baur à Genève, etc. Elle expose aussi en France comme à Sète où elle a présenté, sur trois ans, le projet des « Trente-six vues du Mont-Saint-Clair » qui achèvera son dernier volet au musée de la mer en juillet 2025. A Tokyo, elle ouvrira un nouveau cycle avec l'exposition des « Trente-six vues de la Montagne Sainte-Victoire » qui débutera à la galerie Nagai.
Site : yukakomatsui.com

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