会期
■2024年12月19日(木)-25日(水) 10:00~18:00 会期中無休
企画 永井画廊
協力 杉浦幸子
【開催記念】
◆YouTube 動画『アート探求サロン』
〈鼎談〉齊藤彩・杉浦幸子・永井龍之介
前編:12月20日(金)18:00~ 以降随時配信
後編:12月27日(金)18:00~ 以降随時配信
命名者
大東美穂 (女子美ガレニアニケ 学芸員)
カワイユウイチ(文筆家)
神保京子 (東京都庭園美術館 学芸員)
杉浦幸子 (武蔵野美術大学造形学部芸術文化学科 教授/鑑賞体験デザイナー)
鈴木彩 (版画家 女子美術大学版画研究室 非常勤講師)
高間夏樹 (女子美術大学名誉教授)
永井龍之介 (永井画廊)
仲野泰生 (京都場館長)
中屋敷智生 (画家)
広瀬晴美 (女子美術大学教授)
宮脇豊 (ギャルリー宮脇)
米徳信一 (武蔵野美術大学造形学部芸術文化学科 教授)
(以上12名 50音順)
主旨
日々絵日記のように描き続ける齊藤彩の絵画は、野に咲く花々、木に棲む鳥たちのようにおのずからに生み出され、鑑賞者に様々なイマジネーションをかき立てる懐の深さがあります。
全て無題ですが、画家としてまっとうな在り方です。
画家にとって絵画が言語であり、本来タイトル、解説は必要ありません。
齊藤作品は充分に語っています。
但し、現在はタイトル、解説を読んでから絵画を理解しようとする鑑賞者が圧倒的に多く、無題ですと必ずしもその意義が伝わらないことが多いです。
画家自身がタイトルをつけるものと思われていますが、歴史的にみると実は少数派です。
絵画にタイトル、解説が付くようになったのは、流通マーケットの確立、美術館での美術史的な仕分けや来場者への説明の必要性などから画商、学芸員、研究者などが命名者となり、活躍するようになってからです。19世紀以後、作家性、個性などが重視されるようになってから、画家自身がタイトルを付けるようになりましたが、自身で付けない画家も少なからずいます。その代表がセザンヌ、ピカソです。彼らの絵画はほとんど画商、研究者などが命名しています。
そのタイトル、解説によって彼らの作品の意義がより深まっている史実を知り、画才にあふれる齊藤彩の世界をより広く知らしめるべく、その芸術を理解する有志による本プロジェクトを立ち上げました。
このたび第一弾として、その作品を良く知るメンバー12名にそれぞれ齊藤彩から指定された各作品のタイトルを付けて頂き、展覧会を開催します。
本展では命名された13点と無題7点、計20点展示します。
無題作品につきましては来場者に命名して頂き、改めて齊藤さんと相談の上タイトルを決定いたします。
西欧では中世文盲の人でもキリスト教の教義が理解できるようにということで宗教画=絵画が始まったと言われています。しかし現在は皮肉にも文字が読めないと絵画が理解できない時代になっています。
この度は、タイトルも解説も見ずに絵画と向き合い、そこから何を見、感じて頂けるのかという絵画鑑賞の原点を多くの皆様に認識して頂きたく企画しました。
ピカソが語っています。
「俺は絵で語っているのだ。タイトルなんて必要ない。付けたがり屋どもめ。」
皆で付けたがり屋になりましょう。
永井龍之介
展示作品
命名された13点と無題7点、計20点展示
※無題作品について来場者に命名して頂き、改めて齊藤さんと相談の上タイトルを決定します。
「一期二会」(無題 「2018.12.18」を名付け)
135.5×上80.9下86.8㎝ 油、アクリル、クレヨン/紙
命名者:永井龍之介
2020年本作をメインビジュアルとする展覧会案内を頂いた時、
得体の知れない何者かが私を誘惑する強烈な吸引力に衝撃を受けました。
一度ならず何度でも会いたくなる不思議な魅力を放つ作品に敬意を込めて。
「わたし、わきあがる。」(無題 「2019.9.22」を名付け)
135.5×上76.2下76.4㎝ 油、アクリル、鉛筆、ペン、クレヨン/紙
命名者:杉浦幸子
齊藤さんの造形的表現から、直感的に生まれ出た言葉として。
SAITO AYA