昨年、東京ステーションギャラリー、奈良県立美術館で開催された「没後40年幻の画家不染鉄展」は大きな評判、話題になりました。東京に生まれ、京都市立絵画専門学校卒業後、戦前は帝展などで発表していましたが、戦後は奈良を拠点として一人での活動が多く存命中や没後の美術館、ギャラリー等での発表も京都、奈良が中心であり、これまでは広く知られる事はありませんでした。
私は今回の展覧会で、緻密さとスケールの大きさ、自然界の対象に没入していく感性の鋭さ等を含んだ味わい深い不染鉄の世界に魅入られました。
本展をきっかけとして、新しい画集刊行、40余年前に制作されたオリジナルリトグラフ版画や未発表大作の発見、など各方面で触発があり、不染鉄再評価の気運が高まっています。
このたびご縁を賜り、東京のギャラリーでは初めての個展を開催します。田中一村、高島野十郎らに連なり没後評価が高まることを期待しています。貴重な展覧会、何卒宜しくお願い致します。
永井龍之介
1891
1914
1919
1923
1946~1952
1976