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公募 -日本の絵画2022

公募 日本の絵画2022

大賞、優秀賞
各審査員賞
入賞、入選

永井画廊 公式サイト

公募 日本の絵画2022

公募 日本の絵画2022

【テーマ】 自然・人間・自然と人間
      応募サイズ/ 30号一律
      応募資格/ 不問
【審査員】
千住博・山下裕二・布施英利・諏訪敦・永井龍之介


講評より(抜粋)

林銘君さんの作品の、衝立の間から這い出してくる、または躊躇しながら佇む黒く塗られた殻を背負うカタツムリの姿は、さまざまな意識を纏いながら生きる作者の心の代弁に違いない。衝立の隠れた絵柄も神秘的で巧み、これは形骸化された歴史の暗示であると同時に、かつ伝統文化に対する惜しみない敬意であろう。この発光するが如くの画中画は芸術自体に対する希望だと思った。優れた国際水準の作品に出会えたと感じた。
張媛媛さんの古代壁画の様な絵肌を持つ作品から醸し出される空気感は、悠久の時の流れと現代を生きる自らをかさね合わせようとするクリエイティブな挑戦の賜物で、それは曼荼羅の様でもあり、現代の最先端の映像世界の様でもあり、ホーキングの宇宙論のように上下左右に始まりも終わりもなく無限に続いてゆく。
亀田千晴さんの溢れ出る才能は審査員全員の認めるところだ。

千住博

大賞の林銘君さんの作品は、不思議な水墨画である。おそらく、中国において水墨画の基本的な技法を身につけているのだろうが、そこから発展して、伝統的な水墨画から踏み出す現代的な表現を目指しているのだと思う。
 優秀賞の亀田千晴さんの作品は、私が今回もっとも高く評価したものである。背景の複雑な構造物と主役の人物とのコントラストが素晴らしい。

山下裕二

 今回の大賞は中国から留学中の大学院生・林銘君さんの『蜃気楼』に決まった。モノトーンの画面に衝立のような四角が並び、その間にカタツムリが這っている。殻は黒の円で、それがカタツムリの体の滑るような質感と奇妙なコントラストになっている。なぜ、殻は黒い円なのか、なぜ四角い衝立がジグザグに並んでいるのか、謎めいている。その小さな謎たちが、尽きることのない思索を誘う。大作感や傑作感の構えがあるわけではないが、このひっそりとした絵は、シュールな魅力を冷たく放っていた。

布施英利

  上位三賞のうち2名が20代、1名が30代、そしてうち2名が留学生であった。大賞を受賞した林銘君の「蜃気楼」は水墨画というきわめて東洋的な描き方を選択しながら、不思議な画面で支持を集めた。優秀賞 張媛媛「虹色トト曼荼羅」は、横浜国立大学の赤木範陸教授直伝の、失われつつある古典技法Encaustic (エンカウスティック)を駆使し、モダンな画面にまとめている。三者の中で最もみずみずしさを感じたのは亀田千晴の「堂々巡り」であった。ネット上では内在してきたヒエラルキーが無化されたかのように、あらゆる造形言語の絵が画像として並ぶが、それらを浴びるように摂取してきた世代の絵であることを強く感じさせた。応募作中、サムネイル化したときにもっとも押し出しが強い。そういった意味でも「次代を担う画家」を感じさせる応募者だった。

諏訪 敦

 
林銘君作
新鮮な絵画だ。白いかたつむりと和紙が共存している様を微妙な墨の濃淡を生かした描写で表現した作品は、神々しくユーモアもある。水墨画の新しい可能性を秘めた画家として期待したい。
亀田千晴作
赤と黒に自身の心情を託した作品から湧き上がる素直な思いが伝わり好感を持った。これからどんな絵画が生まれるのかわくわくさせる未知の魅力を感じる。
張媛媛作
弊廊で昨年個展を開催、好評を博したが、決してひいきで選ばれたのではない。エンカウスティーク技法と中国由来の水墨精神、生来のユーモアが相まち自身の個性が確立されているからこそ各審査員の評価も高かった。

永井龍之介

公募 日本の絵画2022

永井画廊  中央区銀座8-6-25 河北新報ビル5F 
TEL:03-5545-5160  FAX:03-5545-5180

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