ヨコハマシリーズの最初の絵は、煉瓦倉庫の焼け焦げた扉から始まります。
無惨な姿を描いておきたかったのです。建っているものが何も無くなった焼け野原は余りにも悲しくて描くのをやめました。
ニューグランドホテルは、家族で何か良いことがあると出かけたり、小学校の友人も近所にいたので、あの周辺は懐かしい場所でホテルの前の山下公園は良い遊び場でした。
私の母校関東学院中等部の建物など、次第に増えてきた手元の作品を見ながら、戦後のヨコハマの小さな歴史を描いている様な気がします。
いろいろな絵を見ながら、海水と油の混ざった港の匂いを感じて頂けたら幸いです。
髙田保雄
髙田先生は、簡素な構図、緊張感ある時空間表現で、凛とした佇まいがある“花”、空気感、臨場感にあふれた“風景”、など清澄で品格ある絵画を描き続けてこられました。
それは卓越した技量だけでなく、自己の孤独と真摯に向き合う長く深い経験から
生み出された、静かで清らかな熟成された美の世界であり、古今東西の名画にも通じます、
なかでもライフワークである“ヨコハマシリーズ”は別格です。
生まれ育った土地への深い愛情にくわえ、肉親までも巻きこまれた横浜大空襲の
つらく悲しい思い出。
そこには拠って立つ場を描くことだけではなく、戦争を二度と起こしてはいけないという、
強いメッセージがこめられ、残った横浜を描かなければならないやむにやまれぬ
特別な意思が凝縮しています。
将来にわたって多くの人々が横浜と言えば本シリーズを想起すると同時に、
平和を希求する時代精神をも体現した象徴的な名画として語り継がれることでしょう。
永井画廊 永井龍之介
展示会場 | ヨコハマ グランド インターコンチネンタル ホテル |
〒220-8522 横浜市西区みなとみらい1-1-1 TEL:045-223-2222 | |
会 期 | 2017年4月25日~7月31日 |
協 力 | ヨコハマ グランド インターコンチネンタル ホテル |
企 画 | 永井画廊 東京都中央区銀座8-6-24 河北新報ビル5F |
※本展は展示販売です。ご購入希望の作品がありましたら幣廊までお問い合わせください。
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展示場所 | タイトル | サイズ | 制作年 |
---|---|---|---|
1Fロビー | 雪の煉瓦倉庫 | 30P | 1970年代 |
山手教会の秋 | 30F | 1970年代 | |
2F | 英国領事館 | 30F | 1970年代 |
ニューグランドホテル北の窓 | 30M | 1975‐78年 | |
山下公園の朝 | 20F | 1970年代 | |
山下公園の薔薇 | 20F | 1970年代 | |
2Fフランス料理 「アジュール」 |
フランス山 | 30M | 1970年代 |
港のレストラン | 20P | 1970年代 | |
山手教会 | 15F | 1970年代 | |
英国領事館(入口) | 15F | 1975‐78年 | |
30F | ボラード | 12F | 1960年代 |
朝の港 | 12P | 1960年代 | |
ニューグランドホテル 「マッカーサーの部屋」 |
10M | 1960年代 | |
英国の船会社 | 10F | 1975‐78年 | |
煉瓦倉庫の扉 | 6P | 1975‐78年 | |
港の見える丘公園 | 10F | 1975‐78年 | |
みなとみらい | 12F | 1980年代 | |
フェリスの石段 | 10M | 1960年代 | |
正金銀行玄関 | 30M | 1975‐78年 | |
記念会館 | 65.2×22cm | 1960年代 |
1927
1945
1950
1976
2016