本展は洋画家·梅原龍三郎(1888-1986)の創作活動のうち、浅間山を主題にした作品を立体的に展観することを目的とする。
梅原は1888年に京都の悉皆屋に生まれ、1903年、浅井忠が自宅内に開設した聖護院洋画研究所に入り洋画を学ぶ。1908年に田中喜作と共にパリに渡り、ルノワールに師事する。滞在中は『白樺』にルノワールの近況報告、芝居や絵について
寄稿している。5年の滞在を経て帰国後は、雑誌『白樺』同人主催の「梅原良三郎油繪展覧会」の開催をきっかけに一躍脚光を浴びる。
その後、梅原は独自の油絵様式を模索し、豊かな色彩や豪快で自由奔放な作風で知られるようになる。梅原芸術は色彩豊かな画面構成、
中でも勇壮な浅間山から噴煙が上がる構図の連作や、富士山、桜島をはじめ、火山を主題に
多くのファンを集めてきた。
そこで本展では開催地にゆかりのある「浅間山」を主題として、各コーナー展示をつなぐことにより、浅間山が多彩に表現されてきたことを示す。
梅原は戦後に吉田五十八氏に設計を依頼してアトリエを構えて以降、毎夏を軽井沢で過ごした。その画業の締めくくりとなる絶筆もまた浅間山である。
本展では、画伯が浅間山を制作する際に用いたイーゼルやパレット等を併せて紹介することにより、梅原芸術を支えた美の世界を立体的に再構成したい。
嶋田華子
梅原龍三郎は京都に生まれ、日本の伝統美に育まれた粋な感性とフランスで学び培われたエスプリを止揚し、
洋の東西を超えた豪華絢爛たる独自の絵画を生み出した日本が世界に誇る不世出の画家です。
「北京秋天」「紫禁城」「富士山」「カンヌ」「薔薇」などと並び代表作として知られる「浅間」シリーズ。梅原は戦後別荘アトリエを構えた軽井沢で、毎年夏から秋にかけて過ごし、
名作を数多く残しました。
このたび生誕130年を記念して、改めて“軽井沢の梅原”に焦点をあて、水彩、パステル、デッサン、版画など様々な技法による生命感にあふれた鮮やかな「浅間」の連作を展覧いたします。
また関連写真、資料なども合わせて展示、梅原と軽井沢との深い関係を偲ぶ貴重な企画になりました。
20世紀を代表する名画が、現在軽井沢で最もホットなアートスポットの新しい息吹きのなか一層輝きを増し、より多くの皆様にアピール出来る貴重な機会になることと存じます。
本展開催にあたり、ご協力、ご尽力を頂きました梅原家ご遺族の皆様、並びに美術館関係者各位に御礼を申し上げます。
2018年7月吉日
永井龍之介
■会期:2018年7月20日(金)
-9月3日(月)
会期中無休
(開館時間 9:30-17:00入場無料)
■会場:軽井沢千住博美術館 ギャラリー
http://www.senju-museum.jp/
■本館入場特典付案内チラシ(PDF)
こちらをクリック
■特別イベント 8月4日(土)14:00-15:00
対談 嶋田華子(梅原龍三郎曾孫)×永井龍之介(永井画廊代表)
(於 ギャラリー 観覧自由)
嶋田華子氏 | 永井龍之介(永井画廊代表) |
プロフィール
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