「……髙木さんの絵は生きています。清々しい空気感があり、モデルになった女性、子供、人物、自然への深い思い、愛情が伝わります。彼らの息遣いが聞こえ、来場者たちの会話にも耳を傾けているように見えてきました。
“切れば血が出るような絵が名画だ”と語った評論家がいましたが、血が出るだけではなく、絵に宿る魂が奪われ、モデルたちのむせび泣く声も聞こえてくるようです。作品のなかで皆さん生き生きとしています。山、湖、草、木にも命が宿っています。まさに“存在”を描く当代を代表する画家と評してもいいと思います。
……」
2017 年日本での実質デビュー展を開催した折に、初めて刊行した画集に寄せた拙文の一節です。
現在開催中の池田20 世紀美術館での個展(~ 10 月15 日)で初めて発表された芸術家ポートレートシリーズ。等身大以上の鉛筆画から各芸術家の肉声までも聞こえてきそうな迫力を感じました。
高木芸術は、アウグスト・ザンダー、ベッヒャー夫妻、トーマス・ルフらの即物的写真表現への共鳴がベースにありますが、驚異の細密描写で彼らの表現をも乗り越えようとしています。
生きとし生けるものたちへの深い愛情と洞察から生まれる油彩、鉛筆、ペンによる生命感に満ちた瑞々しい新作を通して、“生きている絵画”の素晴らしさを堪能して頂ければ幸いです。
永井龍之介
■2019年10月10日(木)-10月26日(土)
11:00-19:00 日曜・祝日休廊
初日のみ 16時-19時〉
■初日10月10日(木)
17:00-18:30 オープニングパーティ
1959
1983
1984-86
1987
1987-91
1989
2003
2017
2018
2019年
現在